機密捜査官J File-7 三姉妹を救出せよ
第19章 ≪亜希と有希≫




亜希はぐったりとうなだれていた。

目の前で、可愛い妹が失神するまで鞭で打たれるなんて。
自分はそれを助けることができなかった。
あああ・・・どうしたらいいの・・・・
おとうさん・・・助けて・・・・




亜希はつらかった。
しかし、亜希にもっとつらいことが待っていた。

今度は、失神したまま、有希が部屋に運び込まれた。

有希!
有希!だいじょうぶ!?

亜希は失神している可愛い妹の名前を叫んだ。




有希は天井から吊るされた。
意識はなくしたままだった。

さあ、起きてもらおうか。

びしっ!う・・
びしっ!うう・・
びしっ!ああ!あああっ!痛い!




有希が鞭の激痛で意識を取り戻した。

ああ・・・・いたい・・・・・

朦朧としていた有希の視界にすさまじい拷問を受けてきた姉の無残な姿が飛び込んできた。

あ、亜希おねえちゃん!?

そして、その横で失神している真希も見つけた。

真希おねえちゃんも・・・・




どうだ?姉貴たちに会えてうれしいだろう。
これからまたお前にこの鞭で苦しんでもうらう。

有希の脳裏にこれまでの恐ろしい一本鞭の激痛が蘇ってきた。

いや!

いや・・・もうやめて・・・・・
その鞭は・・・・・




だがもうお前は自白しなくていい。
その代わりにねえちゃんに答えてもらう。

それを聞いた有希は即座に言った。

おねえちゃん!
だめ!言っちゃだめよ!




有希!
やめて、有希を責めるのはやめて!代わりに私を!

おお、なかなか美しい姉妹愛じゃないか。
こんどこそ話してもらえそうだな。
妹には特別にこの一本鞭で責めてやっている。なかなか気に入ってるようだぞ。

お願い!やめて!妹はもう助けて!




びしーっ!ぎゃあうっ!

一本鞭が容赦なく有希の身体に振り下ろされた。

だめーっ!やめて!

亜希が叫んだ。

お願いします・・・有希を・・・助けて・・・

しかし、鞭は有希を襲い続けた。




びしーっ!うあああっ!
びしーっ!はああああっ!
びしーっ!ぎゃあうっ!

有希はもうこれまでの拷問で、反応が鈍かくなっていたが、やはりこの一本鞭で打たれると、狂ったように泣き叫んだ。

有希!有希!

亜希は妹の名前を呼び続けた。




びしーっ!ひぎゃああっ!
びしーっ!あああっ!
びしーっ!あぎゃあああっ!

鞭は有希の身体のいたる所を責め立てられて。苦しみもがき叫んでいる。
亜希は正視できなかった。




びしーっ!ぎゃああっ!

びしーっ!くあああっ!

びしーっ!うぎゃあっ!

男は20ほど有希に一本鞭を打ち据えると、鞭の手を止めた。
男は亜希に近づいてきて言った。




どうだ?妹が泣き叫んでるぞ。
可愛そうだと思わないのか?
そろそろ言ったらどうだ?
そうしたら妹は許してやる。

お願いします・・・妹を許して・・・・
代わりに私を・・・・・




それはだめだな。
助けたければ、吐け。
吐かなければ、吐くまで妹をこの鞭で妹を打ち続けることになる。

それを聞いた亜希は思わず叫んだ。

もう!やめて!
言う!言うから・・・・もう・・・やめて・・・

後半は涙で言葉が濁っていた。




そのとき。真希と同じこと有希が叫んだ。

だめ!

有希は身体中の痛みにもう声もまともに出なかったが、気力を振り絞って言った。

だめ・・・・言っては・・・・だめ・・・・
わた・・しは・・・・だいじょう・・・ぶ・・・・




妹はああ言っているが、どうする?

亜希は自分に言い聞かせるようにつぶやいた。

そう・・・そうよね。
みんなここまで耐えてきたのよね。
自白したらおとうさんが殺されるかも知れないのよね。

わたし・・・がんばる・・・・




言わないのか?

じゃ言うまでこいつに苦しんでもらうぞ!

びしーっ!ぎゃあっ!

有希!

再び有希への一本鞭打ちが始まった。

びしーっ!いやああああっ!




びしーっ!うぎゃああっ!

だめ!

びしーっ!ぎゃああああっ!

言っちゃ!

びしーっ!いぎゃあああああっ!

だめっ!

有希は鞭で打たれながら、必死で姉に叫んだ。




びしーっ!ぎゃああっ!
びしーっ!うぎゃああっ!
びしーっ!ぎゃああああっ!

息つく間もく与えられる激痛に、もう有希はひたすら鞭の痛みに泣き叫ぶだけだった。

お願い!やめて!

亜希が叫ぶ。




びしーっ!ひぎゃああっ!
びしーっ!うぎゃああっ!
びしーっ!ぎゃああああっ!

有希は泣き叫んだ。有希の身体も精神も、もう壊れる寸前だった。
有希は必死に激痛に耐えていた。

もうやめて!

亜希も必死に耐えていた。




しかし、有希の身体はもうもたなかった。

びしーっ!ぎゃあああああああっ!
あ!ああん・・・・・・・・

50ほどの連続で一本鞭をその細い身体で受け止めると、また意識を失った。


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