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拍手はしばらくの間、鳴り止まなかった。 休憩の間に少女は意識を取り戻した。 では、これから競売に入りますが、 その前に、目隠しを取らせていただきます。 少女はぐったりとしたまま、されるままに任せていた。 |
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男が少女の目隠しを取った。 少女の眼に眩しいライトの光が飛び込んできた。 周りは暗くて何も見えない。 おー。 かわいい。 これは美人だ。 客たちの勝手な、しかしとても嬉しそうな歓声が上がった。 |
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皆様。お近くまでおいでいただいても結構です。 さあ、どうぞ。 客たちはぞろぞろと少女の周りに近づいてきた。 客たちの刺すような視線に、少女は恥じらい、身をくねらす。 おーおー。恥ずかしがって、かわいいのう。 近くで見ると、肌が綺麗ですな。 おー。鞭の痕がくっきりついてますな。 白い肌に赤い鞭の痕。いいですな。 |
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さあ、ではそろそろ競売に入らせていただきます。
皆様、席にお着きください。 では、1億円から始めます。さあ、どうぞ。 1億! 1億5千! 1億7千! 2億! 2億が出ました。まだありますか? 2億2千! 2億5千! えーい!3億じゃ! |
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3億!3億が出ました! あと、ありませんか。 あと、ありませんね。 ないようです。3億円で落札と決定いたしました。 おめでとうございます。 では、落札された方。 ああ、先ほどご登場いただいたゾルゲ様ですね。 商品番号1番、私立カレン女子大学2年、早乙女友紀、 20歳はゾルゲ様に落札です。 |
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客たちが拍手を始めた、その時だった。 部屋のライトが一斉に点灯した。 な、なんだ? 客たちは狼狽している。 そこに1人の少女が現れた。 お、おまえは・・・次の商品・・・ なんでおまえがここに・・・ |
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やめなさい! そこに立っていたのは、J3-理香だった。 誘拐・監禁・傷害の現行犯で全員逮捕します。 そう高らかに宣言して、理香は去っていった。 その瞬間、警官隊が一斉に部屋になだれ込んできた。 |
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