第4章 吊鞭
ぎぎぎ・・・
あああ・・・
連続鞭打ちでぐったりしている純の両手がさらに吊り上げられた。
身体は完全に宙に浮いていた。足がつかない。
つま先立ちの連続鞭打ちで締めあげられた手首が、全体重を受けてきりきりと痛む。
ああ・・手が痛い・・・
そうだ、痛いだろう。降ろしてほしかったら依頼主を吐くんだ。
純は朦朧とした意識の中で首を振った。
男が手下に顎で合図をした。
びしっ！うっ！ああっ！
びしっ！ぐああっ！ううっ！
びしっ！ぐあっ！あああ・・
これだけ鞭で打たれていても、また鞭で打たれるとすさまじい痛みが走った。
鞭の痛みで身体がのけぞると、手枷が手首に激しい苦痛を与える。
鞭と手枷、純は一撃で二度の苦しみを味わわなければならなかった。
先ほどのペースではなかったが、また終わらない鞭打ちが始まった。
びしっ！ぎゃあああっ！うううっ！
びしっ！ふがああっ！ あっ！
びしっ！うあああっ！があっ！
純は鞭の痛みに身体をくねらせると、手首に激痛が走った。
言え！誰に頼まれた！
たまに男が叫んだが、純はただ苦しみに反応するだけだった。
150ほど打ったところで、男が手で手下を制止した。
鞭が止まった。
はあ・・はあ・・はあ・・
ああ・・いたい・・・
手が・・いたい・・・・
純はいつまでもうわごとのようにつぶやいていた。
純は朦朧とした頭で思った。
手がちぎれそうに痛いわ・・・
わたし・・・もうだめかも・・・
降ろして欲しいだろう。だったら言え。
誰に頼まれた。
しかし、純が依頼人を口にすることはなかった。
男が再び手下に合図をした。
ぴしっ！ああうっ！くああっ！
ぴしっ！ぐああっ！ぎゃああっ！
ぴしっ！ぎゃあううっ！ああっ！
鞭の痛みと手首の痛みが純を激しく責めたてた。
純はまた全身が痙攣していた。
いわない・・・いわないわ・・・
純は心の中で必死に叫んでいた。
ぴしっ！ふぎゃああっ！もうっ！
ぴしっ！ぐあああっ！ぐうっ！
ぴしっ！ぎゃっ！ああああっ！
もう苦痛は限界を超えていた。
純はいつ自白してもおかしくない状態で、必死に苦痛に戦っていた。
ぴしっ！ぎゃあっ！あっ！
ぴしっ！ぐああっ！あっ！
ぴしっ！くあああっ！あっ！
しかし、身体はもうもたなかった。
もういやあああっ！
純が心の中で叫んだとき。
あ！・・・ん・・・
あまりの苦痛に純は気を失った。
吊るされて打たれた鞭の数は300を超えていた。
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