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こんなものがあるが、これはお前の国の拷問道具だそうだな。 次はこれだ。さ、乗れ。 ちひろは後ろ手に縛られて、十露盤の上に無理矢理座らされた。 三角の尖った木の端がちひろの足に食い込んでくる。 鋭い痛みに、たまらずちひろは声を上げた。 |
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い!・・・・うっ!・・・・・あ・・・・・・・ 痛いだろう。 吐けば楽になるぞ。 ちひろの体重が足の骨にかかり、尖った木の上で激しい痛みを呼ぶ。 鋭い痛みが身体中に広がる。 |
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ぐ・・・・・・あ!・・・・・・う!・・・・・・・・ ちひろは痛みにじっと耐えた。 少しでも身体が動くと、新たな痛みがちひろの足に加わる。 吐く気になるまでそうしているんだな。 ハッサンは椅子に腰掛けてちひろの苦しむ様を見つめていた。 |
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あ!・・・・う!・・・・・ぐ!・・・・・・ ちひろの足の骨が木で軋んで、 じっとしていても、激しい痛みが続いた。 その痛みについ身体が動いてしまい、 さらに激しい痛みがちひろの足を襲う。 |
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うぐ!・・・・ああ!・・・・いや・・・・・・ いつまでもいつまでも苦しみが続いた。 あ!・・・・・う・・・・・ああ!・・・・・・・・ そして、ちひろがこの恐ろしい板の上に乗せられてから、 もう10分が経とうとしていた。 |
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あ!・・・・うっ!・・・・・・く!・・・・・・・・ それでもちひろは苦痛にうめいていた。 しかし、しだいに足の感覚はなくなってきていた。 そろそろ脚がしびれてきただろう。 そう言ってハッサンは立ち上がった。 |
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びしっ! ハッサンは、いきなりちひろの太ももに鞭を振り下ろした。 ぎゃああ! 急に鞭で打たれてちひろはのけ反った。 すると、いままで耐えていた足に、激しい痛みが甦った。 あああ!・・・・ぐああ!・・・・あ・・・・・ |
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びしっ! ぎゃああ!あう!あう!あう!あうう! 鞭がちひろの太ももに鋭い痛みを加えると、 十露盤の尖った棒がちひろの下腿の骨にさらに激しい痛みを与えた。 |
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びしっ!ぎゃあああ!あう!うあ!ぐ! びしっ!ぎゃあう!あ!あうう!うああ! 鞭で打たれるたびに、ちひろは脚の上と下から苦痛を味わった。 骨に伝わる十露盤の苦痛に、ちひろの目に涙が浮かんだ。 |
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どうだ?痛いだろう? 許してほしかった素直に吐け。 お前は何者だ? あ!・・・ぐ!・・・・ ちひろは無言のままいつまでもじっと耐えていた。 |
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まだか? びしっ!びしっ!びしっ! そう言いながら、ハッサンは鞭を連打した。 ぎゃああ!ぎゃあああ!ぐああああ! ちひろは鞭と十露盤の傷みに、激しく絶叫した。 |
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そこへ、ハッサンの手下が血相を変えて部屋に入ってきた。
手下がハッサンに耳打ちすると、ハッサンも顔色が変わった。 ちひろの脚を思い切り踏みつけて言った。 おまえ!電・・・発信機をどこにやった。 ぎゃああああ! どこに持っていったんだ! |
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あう!ぐあああああ! ハッサンの体重がちひろの脚にかかり、 恐ろしい十露盤の痛みが襲ってくる。 時間的にはどこかに送ったり、そう遠くへ 運んだりはしてないはずだ。探せ! ハッサンはそう手下に命令して、 ちひろの胸に電気ゴテを突っ込んだ。 |
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お嬢さん。あれはとっても大切なものなんだ。 返してくれないかな? しかし、ちひろは黙っていた。 この電気ゴテは500℃になる。電気を入れると火傷するかもな。 どうする? |
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そんなもの、知らないわ。 そうか?では思い出してもらおう。 そう言って、ハッサンは電気ゴテのプラグをコンセントに挿した。 さぁ。熱くなる前に言ったほうがいいぞ。 |
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いや・・・・ ちひろは自分の胸に挿されている電気ゴテを見ながら、 苦悶の表情を浮かべた。 発信機をどこに隠した? 言え! 早く言わないと火傷するぞ。 |
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ううう・・・・いや・・・ 次第に熱くなってくる電気ゴテに、 ちひろは恐怖のあまり身を震わせた。 脚の痛みは続いていたが、ちひろの神経は電気ゴテに集中されていた。 |
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あ!熱い!いや! 電気ゴテの温度が上がってきた。 早く吐かないと熱いぞ! もう電気ゴテは既にかなりの高温になっていた。 いやああ!あついいい! |
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ああああああ!熱い!あついいいい! ぎゃああああ!ぐあああああ! 電気ゴテの激しい熱さがちひろを襲う。 いやあああ!あついいいい! ぎゃあああああああ! |
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ぎゃあああああ!あああ!あ・・・うん・・・・ そして、ちひろは断末魔の叫び声とともに、 激しく身体を痙攣させながら気を失った。 気絶したか。強情なやつだ。 しかし絶対に吐かせなくては! |
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