機密捜査官J File-7 三姉妹を救出せよ
第14章 ≪有希≫吊一本鞭打ち




真希が股間の鞭打ちに泣き叫んでいた頃、有希は両手を縛られて天井から吊るされていた。
意識は取り戻していたが、抵抗する体力は残っていなかった。
されるがままに、足先がかろうじて着くぐらい高く吊るされて、手首がきりきり痛んだ。
男が有希に言った。

徹底的に責めて吐かせろということだ。お前はこの一本鞭が好きそうだからこれで死ぬほど痛めつけてやる。




朦朧とした有希の意識の中に「一本鞭で死ぬほど痛めつける」という言葉が飛び込んできた。

え?
い・・いや!いや!
いやああああああっ!

有希は叫んだ。

その鞭はいや!痛い!痛いの!
もういやああああああっ!




そうか。いやか。いやなら吐け。
じゃ、行くぞ。
吐くなら今だが。

有希はおかしくなりそうだった。

お姉ちゃんたちががんばってるのに、自白なんてできない。
でも、あの鞭にはもう・・・・耐えられない。




どうする?言うか?
それともいつまでもこの鞭で責めて欲しいか?

有希はうなだれた。

あの鞭は・・・もういや・・・・・
でも・・・
でも・・・・やっぱり言えない・・・・・




有希は自分を追い込むように、言った。

あなたたちなんかに、言わない。

男は今度は冷静だった。

ふーん。よくわかった。
では、たっぷり味わってもらおう。
行くぞ!

いやああああああっ!




びしーっ!ぎゃあああっ!痛い!
びしーっ!ぐあああああっ!あう!あう!
びしーっ!いやあああああっ!

有希に対する一本鞭打ちが始まった。
男はひゅうひゅうと鞭を鳴らしながら、有希の身体に思い切り打ち据える。
有希はすさまじい痛さに飛び上がって叫んだ。




びしーっ!うぎゃああっ!いやっ!
びしーっ!あああああああっ!もう!
びしーっ!やあああああっ!

薄いセーターの上からでも、吊るされて打たれる一本鞭の痛みはすさまじかった。
一本鞭は身体に巻きついてきて、有希に激しい痛みを与える。
有希は壁に固定されているときの何倍もの痛みに感じた。




びしーっ!ぎゃあああああっ!
びしーっ!あううううっ!
びしーっ!うああああああっ!

一本鞭の一撃一撃に、有希は身体をいっぱいに伸ばして泣き叫んだ。
とてもじっとしていられない、恐ろしい痛さだった。
立て続けに30ほど打って、男は一本鞭の手を止めた。




はあ・・はあ・・はあ・・はあ・・はあ・・

有希は苦しみのあまり肩で激しく息をしていた。

どうだ。痛いだろう。
これでも言わないつもりか。

はあ・・はあ・・はあ・・・・・
い・・・いわないわ・・・・・・・・




そうか、意外に頑固だな。
じゃ、もっとこの鞭を受けてもらおうか。

あああ・・・・・

有希はもうこれ以上この鞭には耐えられないと思った。

でも、本当のことを話すことは・・・・・・・
やっぱり・・・・できない・・・・・・・




びしーっ!ぎゃああああああっ!
びしーっ!いやあああああああっ!
びしーっ!うあああああああっ!

口を開かない有希に一本鞭が襲い掛かった。
心の葛藤に苦しんでいた有希はいきなり一本鞭で激しく打たれて飛び上がって叫んだ。

あああ・・・また・・・・・・・

鞭の痛みの中で有希は絶望感に打ちひしがれていた。




びしーっ!くあああああああっ!
びしーっ!ふあああああああっ!
びしーっ!ぎゃあああああああっ!

一本鞭に鋭い痛みに身体が勝手に反応する。
打たれては泣き叫び、泣き叫んでは打たれる。その繰り返しだった。
激痛の連続に有希は泣きわめいた。




びしーっ!うぎゃあああああああっ!
びしーっ!ふぎゃああああああっ!
びしーっ!いやあああああああっ!

次から次へと襲い掛かる一本鞭の激痛。
それは細い有希の身体には地獄の苦しみだった。
有希はもうこれ以上は耐えられないと思った。




わたし・・・・・・もう・・・だめ・・・

鞭が20も続いて、有希の心が折れそうになったとき、男は手を止めた。

はあ・・はあ・・はあ・・はあ・・はあ・・

有希は身体中を細かく痙攣させながら、痛みに必死に耐えていた。
でも、細いその身体も心も、もう壊れてしまいそうだった。

どうだ、まだこの鞭を受けるか?




・・・・もう・・・・いや・・・・・
ほんとに・・・もう・・・いや・・・・・

では、本当のことを言え。おやじからもらったものはどこにある?

もう・・・・いいます・・・・・・

おとうさんから・・・・・・もらった・・・

ふうとう・・・・・




封筒か。

口には出さなかったが、そのことは真希の部屋の男から伝わっていた。

で、それはどこにあるんだ?

それは・・・・・・・・・・

びしーっ!ぎゃああああああっ!

どこにあるのかな?

あああ・・・・・・いや・・・・・




もう1回聞くぞ。封筒はどこに隠した?

それは・・・・・・

なんだ?もっと鞭か?

いや!いや!いやあああっ!

じゃ、言え!

うううう・・・・・・
おとうさん・・・・ごめんなさい・・・・・・




びしーっ!うぎゃあああああああっ!

早く言え!

うっ・・・うっ・・・

泣いたって無駄だ!言うのか言わないのか。

びしーっ!ぎゃああああああっ!

あああ・・・・・・
言うから・・・もう・・・やめて・・・・




その時、有希の耳に今度は真希の叫び声が聞こえてきた。
それは、真希が股間に鞭を打ち据えられて、失神した声だった。
有希は朦朧とした意識の中ではっきりとその声を聞いた。

あれは・・・真希おねえちゃん・・・・・・・・
真希おねえちゃんも・・・・いるのね・・・・・
わたし・・・・・・ばかだった・・・・・・・・




びしーっ!ぎゃああああああっ!

おい、早く言え!

ああ・・・ああ・・・ああ・・・

鞭の痛みにうなだれていた有希は、頭を起こすと、静かに言った。

わたし・・・・ぜったいに・・・・いわない・・・・・・


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