機密捜査官J File-7 三姉妹を救出せよ
第10章 ≪有希≫一本鞭打ち




亜希が吊るされて鞭の連打に絶叫している隣の部屋では、有希への鞭打ちが続いていた。

はあ・・はあ・・はあ・・

生まれてからこれまで鞭などというものを見たこともなかった有希が、100以上の連続鞭をその細い身体に受けて、意識は朦朧としていた。




鞭は痛いか?

有希は素直にうなずいた。

じゃ、もう鞭はやめて欲しいだろう。

また、有希は素直にうなずいた。

じゃ言ってもらおうか。

有希はもちろん鞭はもう1回たりとも無理だと思った。
でも、話してはいけないことも、理解していた。




有希はうつむいていた。

言わないのなら続けるぞ。

いや・・・です・・・・・・

有希は泣きそうになりながら、小さな声で言ったが、男の耳には入らなかった。

黙っているなら仕方がない。
苦しめ!




びしっ!ああっ!
びしっ!いたいっ!
びしっ!あうっ!

男が言うと同時に、鞭打ちが再開された。
また、あの痛みが有希を襲う。
有希は身体をくねらせて痛みに苦しみ悶えた。




びしっ!くああっ!
びしっ!はああう!
びしっ!いやあっ!

次々と鞭が襲ってくる。
身体中が痛い。
泣いても泣いても、後から後から涙が溢れてくる。




びしっ!あああっ!
びしっ!きゃあっ!
びしっ!ぐああっ!

ああ・・・いつまで続くの?

もう・・有希・・・だめ・・・・

苦しみの中で有希は思った。
また、身体中が痙攣してきた。




びしっ!あああっ!
びしっ!きゃあっ!
びしっ!ぐああっ!

おとうさん・・・もう・・・・
有希・・・もう・・・いや・・・・・
言っても・・・いい?・・・・・・

朦朧とした意識の中で、有希は父親に許しを求めた。




びしっ!あああっ!
びしっ!きゃあっ!
びしっ!ぐああっ!

鞭が連続50を越えた頃、男が鞭の手を止めた。

はあ・・はあ・・はあ・・

鞭が止まっても、有希はいつまでも苦痛にあえいでいた。
どうだ。もう吐く気になったんじゃないか?




男がそう言った時だった。
朦朧としている有希の耳に、かすかに女の絶叫が聞こえてきた。

あれは?
聞いたことのある声・・・・・・・・・・・・

亜希お姉ちゃん?!

そう、それは、2人がかりの壮絶な鞭打ちで失神した、亜希の叫び声だった。
防音が施された部屋ではあったが、あまりに大きな絶叫は、隣の部屋までかすかに届いたのだった。




お姉ちゃんが・・・ここにいるの?・・・・・

有希は確信していた。

ここで亜希お姉ちゃんも拷問に合っている。
ひょっとしたら、真希お姉ちゃんも?

あああ・・・私・・・なんて弱虫なんだろう・・・・
自白しようとしてた・・・・・
お姉ちゃんたちも必死に耐えているのに・・・・・




どうなんだ?

沈黙する有希に、男はもう一度聞いた。
ところが、想像しなかった言葉が返ってきて、男は少したじろいだ。

私、言わない!

な、何だと!

男は、そう怒鳴ったかと思うと、一本鞭を手にした。それは2mはあろうかという、革で編んだ細い鞭だった。




びしーっ!ぎゃああっ!あう!あう!あぐうう!

細い鞭が有希の身体に巻き付き、有希の身体に突き刺さった。
有希はあまりの激しい痛みにいつまでも苦しんだ。
それはそれは、恐ろしい痛さだった。

どうだ、痛いか。今度は吐くまでこの鞭だ。

有希はさっき強気に言ったことをもう後悔した。

い、いやあああああっ!




びしーっ!ぎゃあああああっ!痛い!いやああああっ!

そら、痛いだろう。いやなら吐くんだ。

一本鞭の痕がくっきりと、有希の柔肌に刻まれていく。
薄いセーターなど、この鞭の前にはまったく無力だった。
しかし、これを素肌に打たれたら有希のようなか細い女の子は一発で壊れてしまうだろう。
この一本鞭はそんな威力だった。




びしーっ!うぎゃあああああああっ!いやあっ!

有希の身体にまた一本鞭が炸裂した。

言え!言うんだ!

びしーっ!ひぎゃああああああっ!いたいっ!

しかし、有希はまた強気に言った。

・・・・いわない・・・・・・・

そうか、では連打といこうか。覚悟しろ!




びしーっ!あううううっ!
びしーっ!ぎゃああああああっ!
びしーっ!ぎゃあああああああっ!

男がそう言うやいなや、一本鞭が嵐のように有希に襲い掛かった。
鞭は有希の身体でびしーっとすさまじい音を立てて、恐ろしい激痛を有希に与えた。
有希は痛みに絶叫した。




びしーっ!うぎゃああああっ!
びしーっ!ぎゃああああああっ!
びしーっ!いだあああああああっ!

長い一本鞭がひゅうひゅうと音を立てて有希の細い身体を目掛けて飛んでくる。
激痛に継ぐ激痛。有希は泣き叫んだ。
しかし、叫んでも叫んでも新たな激痛が有希を襲い続ける。




びしーっ!ぐあああああっ!
びしーっ!ああああああああっ!
びしーっ!ぐぎゃあああああああっ!

有希は痛いともやめてとも言う間もなく、有希はひたすら泣き叫んだ。
激痛に激痛が重なって、有希は激しくもだえ苦しんだ。
しかし、男は手を緩めることもなく、鞭を有希の身体に振るい続けた。




びしーっ!いぎゃああああああっ!
びしーっ!ぐああああああっ!
びしーっ!ひぎゃあああああああっ!

もう50もこの痛い鞭で打たれただろうか。
有希は狂ったように泣き叫び続けた。
何も考えられなかった。ただ激痛に反応して絶叫するだけだった。
痛みに身体中が激しく痙攣していた。




びしーっ!ぎゃああああああああっ!
びしーっ!ぎゃああああっ!
びしーっ!あああああああっ!

有希の身体はもう限界だった。
普通の女の子にこんな激痛が耐えられるはずもなかった。
一本鞭で打たれ続けた数がもう80になろうかという頃。




びしーっ!ぎゃっ!
あ!あ・・・・・・あん・・・・・・・・

短い鋭い絶叫のあと、有希は気を失った。


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